【大学入試広報担当必見!】 志願者数6,000人増!!京都産業大学から学ぶ大学公式TikTokのあり方。

大学公式TikTok運用のあり方
西村海都 / 若者マーケティング屋さん 2025.03.19
誰でも

当社が運用している京都産業大学の公式TikTok「好きな先輩が行ってる大学。」では、1年間で計112本(2025年3月19日時点)を投稿し、平均再生回数は約10万再生という驚異的な数字を出しています。さらに、100万再生も2回経験し、爆発的な拡散力にも貢献しています。

その結果、2025年度の公募制推薦入試(AO入試)では昨年比約6,000人の受験志願者数が増え、TikTokでの運用がこの結果に寄与しました。

京都産業大学公式ホームページより

京都産業大学公式ホームページより

公式感を出したら終わり

当社は若者マーケティング専門会社なので、若い人たちが何を好み、何を嫌うかを日々分析しています。

▼毎週このような週ごとのトレンドレポートも出しています。

その中で興味深かったのは、「後ろに大人がいる感を出した瞬間に冷める」ということです。今の若い子達は広告や#PRに敏感で嫌う傾向があります。

これを見ているみなさんもそうですよね。YouTube見てて広告流れてきたらすぐにスキップしたくなると思います。これと同じ心理状態です。

「公式感」も広告や#PRと似ています。なので公式感を出した瞬間に嫌われていき、どんどん見られなくなっていきます。なので、京都産業大学のアカウント名には一切大学名を入れずに作成しました。

アカウント名に込めた想い

アカウント名の「好きな先輩が行ってる大学。」は、高校時代の好きな先輩が通っている“憧れの大学”を演出する意図を込めてネーミングしました。

憧れの先輩が通っている大学に対しては、つい気になってしまったり、つい行きたくなってしまうなどの潜在意識が芽生えます。高校生の感情をくすぐるアカウント設計を行い、第1志望ではなくても魅力的に見えるようなコンテンツ内容が映えるようなアカウント名にしています。

インフルエンサーや広告はあえて使用しない

「リアリティこそが最重要」

本アカウントでは、インフルエンサーは起用せず、京都産業大学の学生のみでキャスティングを行っています。大学生活の良し悪しをリアルに伝えることができ、”作られた感”がなく、潜在層に届けることが可能になっています。

また、大学生活は人生のうちの大切な4年間なので、嘘偽りのないコンテンツにすべきだと考え、あえてリアルな大学生を出演させる方針を採用しました。これにより、インフルエンサーには出せない、細かな表現や友人同士のやり取りを自然体で見せることに成功しています。

このリアリティが今回の受験者数の増加につながっているのでしょう。目先の再生回数やフォロワー数に囚われてはいけません。仮に1,000再生だったとしても、その1,000人が全員志願してくれたら目標は達成です。こういうコンテンツを作れることこそが最強なのです。

再生回数やフォロワー数はあくまでも手段であり、目的は志願者数の増加だと思います。そこをごちゃごちゃにしていると結果には現れません。

正直、SNS運用会社はこの手段と目的の設計ができない会社が多いです(全ての会社ではありませんが、、、!!)なぜなら、SNSでバズらせることが目的になっているからです。1,000再生で1,000人の志願者数を集めるコンテンツを作るよりも、1発で100万再生を出すことの方が簡単だからです。

「100万再生の勘違い」

100万再生と聞くと聞こえが良いのでつい高評価を下すと思います。ただ、なぜ100万再生いくのかを深ぼってみると面白いかもしれません。

100万再生いくプロセスとしては以下の流れです

  • 100-1000名の興味ある人に届ける

  • 「100-1000名の興味ある人に届けた層」と、似た属性の1万-10万名に届ける

  • 「1万-10万名の興味ある人に届けた層」と、似た属性の30万-50万名に届ける

  • 全く興味関心のない層にも届ける

  • 100万再生達成!

となります。すなわち、50万再生未満は興味がある層に届き、50万再生以降は興味関心のない層に届いているのです。これが、企業の商品やサービスであれば全く問題ないのですが、大学となると話が変わります。

大学のターゲットは高校生ですよね。となるとターゲットが狭いのです。文部科学省が出しているデータによると、令和6年5月時点での高校生の数は約290万人です。

文部科学省のホームページより

文部科学省のホームページより

大学のTikTokアカウント運用における再生回数は100万再生でなくても良いのです。100万人に見られてもその100万人の内訳は高校生ではないかもしれません。むしろコンスタントに数十万再生をとっていくようなコンテンツを作る方がよっぽど大切です。

それに、TikTokの使い方は基本的に「おすすめ欄」を見るなので、フォローしているか否かは全く関係ないのです。「フォロー中」という欄もありますが、そこからはほとんど見ません。なのでフォロワー数も関係ありません。

TikTokより

TikTokより

まとめ

ここまでをまとめると、

  • 大学名や【公式】という文字がついているとだめ

  • 大学のTikTok運用において、再生回数は100万ではなく、継続的に数十万再生を取り続けることが結果(志願者数増加)につながる運用方法

  • フォロワー数は全く関係ない

正しい運用方法としては、

  • 大学名や【公式】という文字を外す

  • 1,000再生で1,000人全員がこの大学に興味を惹くコンテンツを作る

  • 再生回数とフォロワー数はKPIに入れない

に変えていきましょう。

当社が大事にしているコンテンツ制作の秘訣

リアリティが大事と前述しました。なので高校生 / 大学生目線が大切です。

「高校生 / 大学生目線でのリアルな情報を発信」

本アカウントの何よりも売りなのが、企画から撮影、編集までの全ての過程に京都産業大学の生徒が関わっています。当社だけで行うのではなく、大学生も巻き込むことによって「大学生目線」での企画考案が可能になっています。

さらに、高校生目線での企画も考案する際には、オープンキャンパスに来訪した高校生にインタビューを行うことで生の声を集めました。

これによって、高校生が今どのような情報を求めているのかを理解することが可能となり、より高校生にターゲティングした企画立案が可能となりました。

「リアルな視点×プロの目線でTikTokをハック」

実際に通っている大学生の声を入れなければリアリティは出ません。そして、リアリティを見せるだけで伸びるほど甘い世界でもありません。

なので、リアルな視点×プロの目線を掛け合わせて、その時のトレンドや状況に合わせて企画をアジャストしています。これができるのは日本全国でも当社しか存在しません。なぜなら、自分たちだけで作った方が伸びますしこのようなことをしていたらコストがかかり、手間になるからです。

前述したように100万再生は大学のアカウント運用においてはKPIになりません。1,000再生で1,000人全員がこの大学に興味を惹くコンテンツを作るべきなのです。

このようなコンテンツを作れる大学こそが、少子高齢化社会の大学広報戦略として生き残っていくのでしょう。

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